妊娠につきものといえば、つわりですね。
漢字では、悪阻と書きます(そんなこと知ってるって?)。

オフィスなんかで突然「うっっ」と口を押さえ、洗面所にかけこむOL。
同僚が、「もしかして、あの子…」というのが、TVドラマの定番。
ところが私にはその「うっっ」というのがなかなかやってきません。

たま○クラブを読むと、ご飯の炊けるにおいがだめだとか、
水も飲めないとか書いてあるし、あんまりひどいと入院してしまうとか、
もっとひどい人は出産のとき分娩台の上で吐いたとか、
そういう話も聞いていましたので、今か今かと思っていました。

でも、なかなかこない。健診のとき、思い切って先生に聞いてみました。

「先生、つわりっていつごろくるものなのですか。」
「…あったとしてももう終わってる頃ですよ。」

先生はこちらを見もせずに、冷静におっしゃいました。
そう、私はつわりのない妊婦だったのです。

「そういうこともありますので気にしなくていいです。」
はあ、そうなんだ。ふーん。

結局本当に出産まで一度もつわりは来ませんでした。
味覚が変わったとかも、全然無かったのです。
そのせいか、妊婦、という実感がなかなかわきませんでした。

ただ、4ヶ月頃になると、貧血気味になりました。
バスの中でくらくらして、倒れそうになったこともあります。
食事はきちんととるようにしていたのですが、なぜかふらふら。
夜、眠るときにおなかに手を当てると、ドクンドクンと血液の流れる感じがします。

「きっと、赤ちゃんがどんどん大きくなりようけん、血が集中しとるとよ。」「そうやね。」

と、夫と話していました。
私は赤ちゃんのため、と、体にいいもの、栄養のあるものを一生懸命食べました。
鉄分のサプリメントも飲んでいました。

その頃、私のお腹は妊娠初期なのにどんどん大きくなっていました。
体重はそこまで増えてるわけでもありません。
「双子じゃないと?」と何人もの人に言われました。
「私の友達なんか、8ヶ月のときに双子ってわかったとよー」っていう友達もいて、
「ん~、双子か。それもまたいいかも。」なーんてのんきに構えていました。
私は、赤ちゃんが大きくなっているのだ、と信じて疑いませんでした。

しかしそれは、本当は赤ちゃんではなかったのです…。