22日未明、私の祖母が、天国へと旅立っていきました。

98歳、息子夫婦と孫に見守られての、大往生でした。



明治生まれの祖母は、二度の大戦を生き抜き、四男三女を授かりました。

でも、7人目を産んで二年後、事故で夫を失いました。

お仏壇の上にある祖父の遺影は、とても若く、もちろん私は会った事もありません。



その後、再婚せず、女手一つで、七人の子供を立派に育て上げました。

私が子供の頃は、「昔は子沢山だったんだなー」くらいにしか思っていなかったけど、

たった一人で、戦後の困難な時期に七人の子供を育てるなんて、

どれほど大変だったことか、きっと私の想像をはるかに超えていることでしょう。



元気だったときは、毎年夏になると、子供や孫がたくさん祖母の家に集まって、

それはそれはにぎやかだった。

あまり孫をちやほやするタイプの人では無かったけれど、

私は数年間一緒に住んでいたこともあって、かわいがってもらってました。



編み物が好きだったばあちゃん。

みんなに配るお漬物を、大きな瓶いっぱいに作っていたばあちゃん。

飼っていた犬といっしょに散歩するばあちゃん。

「お母さんに言わんとよ」といつもお小遣いをくれたばあちゃん。

イチジクをおいしそうに食べていたばあちゃん。

娘である私の母が先に死んで、えんえん泣いていたばあちゃん。



ここ数年は、認知症が進んで、ずっと介護施設に入っていて、

私が結婚の報告に行ったときも、もう私が誰だかわからなくなってました。

祖母の子育ての話を、一度でも、聞いておけば良かった。

もっともっと、おばあちゃん孝行をしておけば良かった。



ばあちゃん。

あなたが授けた7人の命が、12人の孫になり、さらに12人のひ孫になって、

今、遠く東京の地で、一生懸命生きていますよ。



今頃は天国で、じいちゃんと再会して、62年分の積もる話をしていることでしょう。

どうぞ、安らかに・・・。